No.209(2008年11月号)

どうゆう みやぎ

宮城県中小企業家同友会
〒981−3133 仙台市泉区泉中央2−11−1 リバースビル302
TEL(022)218-2571 FAX(022)218-2575
E-mail miyagi@m-doyu.gr.jp
【同友会3つの目的】
●よい会社をつくろう。
●よい経営者になろう。
●よい経営環境をつくろう。
発行日/毎月1日発行

【ドイツ環境対策企業 視察報告A】

 宮城同友会・環境部会にて、本年 5 月に行われましたドイツ環境対策企業の視察報告を、先月号に引き続き、参加者のリレー方式にて報告いたします。

エアバス社 視察記

東北黒沢建設工業(株) 小島 貴博
佐藤 龍哉


 ドイツ最大の「エアバス」メーカーの視察。手続きの際、多少の行き違いがあり、入場は15分遅れの11時となった。なぜか、イタリア人3名もバスに同乗。同社は戦前の1938年から存在し、その戦前に使用されていた飛行機が展示されていたが、今は飛ぶことが出来ないとのこと。
 こちらではA318、A319、A320、A321のタイプが組み立てられており、各パーツはドイツ国内他、フランス、イタリア、スペイン、イギリスから送られてくる。日本もドア製作の一部にかかわっているとのこと。A318〜321は同じラインで製作されているが、A330は主にフランスのトゥールースで製作され、A380については機体が巨大なため、全て別ラインで製作されている。また、パーツも大きいため、他と違って敷地内にある専用の港を使って搬入される。他はトラックによる陸送及び空輸。

  一機の製作にかかる工程は平均8ヶ月、機体はすべてアルミ製で、複合部のリベット等の部材はチタン製、製作工程の中で使用される仮止め用のリベットは何度も繰り返し使用されている。風圧で機体を浮かせてのチェック等をクリアし、最終的な仕上げ塗装の前に試験飛行が行われる。上空では2つのエンジンのうち、1つを停止させての試験も行われる。
 新しい機体はアルミ製の本体にカーボンファイバーが入ったもので、表面をコーティングする。仕上げ塗装は0.15oの厚さ、電気塗装で行われ、一機当りの塗料の重さは150sになる。
 エアバス社の同工場の従業員は12,500名、下請けなどの出入りも含めると、15,000名が働いている。エコに基づいた営業を行っているということで、エアコンと暖房を別系統にしたり、エネルギー源リサイクルとして平らな屋根の水を集めてトイレに使用しているとの事。また、研究は常に行われ、翼の形状で燃費が2%削減されているとの話も聞いた。
 場内にビスが落ちていたり、外のいたるところにタバコの吸殻が散乱していたりと、日本の工場ではあまり考えられない部分が目に付いた。また、通勤者の殆どが車通勤で毎日大量のCO2が(仮に通勤車輌10,000台、片道10q、燃費7q/1で計算すると、往復20q÷燃費7q≒2.85×10,000台=28,500×CO2 2.5kg=71,250kg)一日当り71.25s排出されていることをもっと考えるべきとも思ったが、年間170機、製作される同工場は、日本にいてはまず見ることが出来ない施設であり、異文化、他業種の仕事を目にする有意義な視察となった。

今月の内容

バックナンバー一覧に戻る