No.210(2008年12月号)

どうゆう みやぎ

宮城県中小企業家同友会
〒981−3133 仙台市泉区泉中央2−11−1 リバースビル302
TEL(022)218-2571 FAX(022)218-2575
E-mail miyagi@m-doyu.gr.jp
【同友会3つの目的】
●よい会社をつくろう。
●よい経営者になろう。
●よい経営環境をつくろう。
発行日/毎月1日発行

宮城野地区9・10 月例会報告

〜連続討論例会にて自社の経営課題と方向性を明確にとらえる〜

 9、10月宮城野地区の例会では、(株)真壁技研 真壁英一社長、(株)庄司組 庄司一重社長、東北黒沢建設工業(株) 佐藤正之社長の3氏によるパネル形式にて、パネリストの自社の現状分析、及び経営課題の報告に基づいての討論例会が行なわれました

 9月に行われた例会では、3 氏の経営環境における現状把握と問題点の報告が行なわれました。
 佐藤社長からは、仙台および東北における解体業界の動向(関西圏などとの比較)及び総合建設業から解体業への参入問題(現在「解体業」として登録されている業者は7社だが、解体業務を行っている会社は実質300社以上)、解体および解体後によって得られる「鉄」の相場の急激な下落、解体業における受注環境の変化(公共事業が皆無に近い状態など)、そして行政による規制強化に対して実施せざるを得ない設備投資の増大問題などが取り上げられ、その対応策として、社員とともに取り組んでいる経営指針の実践報告(幹部社員の企画による社内会議や研修の実施、中間処理施設の増設など)が報告されました。
 真壁社長からは、原油高騰や中国経済の活況のあおりによる原材料の高騰(昨年比実質 55%増)、および自社業界の出荷額の全体的な減少、そして科学技術に対する国の予算配分の問題(中小企業開発費に対する保障問題、企業開発投資の大半が大学およびその大学と連携している大企業向けが中心、技術があっても資本力がない中小企業は競争入札には負けてしまう)などの実態報告とともに、社内での取り組み(グループ討論の実践、継続面談による目標の共有)、唯一大企業と対等で勝負できるのは下請から対等な関係への脱却、特許の取得ならびに制度改革のための企業連携が重要であるという報告がなされました。
 庄司社長からは、これまで内需拡大策に唯一守られてきた建設業界が、公共工事については壊滅的な減少(国全体では5〜6割、宮城県も平成 7 年をピークに3分の1まで減少)や、グローバル化による規制緩和、建設業への異業種からの参入問題により、この10年間で3分の1の業者が廃業している実態、そして建築基準法の改正による建築確認申請認可の極端な遅れの問題や工事補償費増大による経営への圧迫、原材料費・資材の高騰を価格転嫁ができていない実態と、それに基づく対応策(事業領域の拡大、自社開発の充実、公共事業中心から民間事業中心にシフトを変えるまでの社員との取り組み)、部門長との強化策・社内連携の取り組みなどの報告がなされました。
 10月の例会においては、これらの問題提起を受けて、9月例会によって明らかにされた自社における現状認識と課題に基づいて、この厳しい時代背景の中、社員とともに全社一丸となって価値観を共有し課題解決に取り組むことの重要性と、地域における自社の方向性をどのように位置づけていくべきかなどのグループ討論が活発に行われました。
 宮城野地区では、今後も会員からの外部環境阻害要因シートに基づいた、現状認識・問題提起を行い、一社一社が経営課題の克服に対応ができるように、経営基盤・体質の強化を図っていきたいと考えています。

今月の内容

バックナンバー一覧に戻る