●全国展開の拡大路線型から
わが社はコンピュータの業務ソフト開発、販売の仕事を行っています。今年10月から第8期目に入りました。
私は元々メーカー系のコンピュータ販売会社で役員を務めておりましたが、2001年に系列グループ再編に伴って独立採算の方針に変わり、現在の(株)ティーティーシーを設立しました。当時39才だった私が社長に就任し、会社を預かる責任とともに将来に不安を抱えていました。@お客様である企業の多くが厳しい経営状況にあり、設備投資は縮小傾向にあったこと。また、安価で高性能な既製品ソフト(パッケージソフト)が普及し、開発ソフト市場はさらに縮小していくだろう現状。A社員たちと、そういう環境の中でどの方向に向かって何をしたら良いのか。そんな悩みからなかなか解放されずにいるときに同友会と出会い、2006年に第17期 『経営指針を創る会』 を受講しました。
『創る会』 をきっかけに「うちの仕事は本当にお客様の役に立っているのか?」を社員と話し合いました。わが社の経営理念「夢をかなえるソフトウェア」、「思いやりと情報技術の融合」という言葉には、わが社に関わるみんなが「幸せ」「豊かさ」「生きがい」を感じられる会社にしていこうという、社員全員の思いが込められています。
ところが私は、経営指針をつくったところで安心してしまったのですね。受講後すぐの第6期は、開発したシステムを全国展開するという目標を掲げて新規開拓に取り組んでいたのですが、結局は期待する成果を上げることができませんでした。更に私の右腕だった営業部長と技術者の社員の2人が退職し、そして私も体調を崩し入院してしまいました。
このように苦しい状況が続きましたが、昨年に第7期を迎えるにあたり、みんなで議論しました。その結果、これまでの新規顧客拡大の方針から、いま実際に当社を信頼しお付き合い頂いている地元のお客様と向き合い関わっていくビジネスに大きく方針転換しました。今まで自分たちがやってきたこと、経営理念と社員みんなの思い、そして自分たちを支えてきてくれたお客様を原点として、残ったメンバーで再スタートを切ることにしました。
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