No.214(2009年4月号)

どうゆう みやぎ

宮城県中小企業家同友会
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【同友会3つの目的】
●よい会社をつくろう。
●よい経営者になろう。
●よい経営環境をつくろう。
発行日/毎月1日発行

熊本全国研究集会に参加して「報告&寄稿」

第39回 熊本全国中小企業全国研究集会』 参加報告

フォーラム・トラベル;(有)フォーラム・企画 石川 秀一氏

 さる2/12(木)〜2/13(金)の2日間、宮城同友会から総勢25名が「第39回中小企業家問題研究集会:熊本大会」に参加いたしました。
 “地域に根ざし、自然環境と共生する企業経営を”ようこそ熊本へ!! というスローガンの下、全国より1,180名(他県参加850名、熊本330名)の経営者が集い、同友会の 『3つの目的』 に照らし合わせた18に亘る分科会が開催され、経営指針・人材育成・地球環境保全と地域づくり、政策課題・経営戦略などのテーマに対し其々が真剣に熱くグループ討論をいたしました。100年に一度といわれている世界同時不況の中、大企業の工場閉鎖や突然のリストラ等、企業の質を疑いたくなるような出来事が続き、出口の見えない経営環境下に置かれている時代だけに、今回参加した中小企業の経営者は同じ仲間として一枚岩の元気を貰う為、はるか「火の国熊本の地」に集合したのだと感じました。
 マイナス思考となりがちなこの経営環境下ではありますが、藩島郁夫熊本県知事が会期中に述べた「地域企業とともに元気な社会の未来を目指して〜逆風の中にこそ夢がある」「この大不況を乗り切るために、県や国だけでは出来ない雇用を守 ることを是非、中小企業の皆様にお願いしたい…。」「企業の可能性も人生の可能性も無限大である」etc…。まさに日々我々が 1. 自社の方向性 2. 外部環境の現状と改善 3. 自社を取り巻く現状 などに関し議論していることを明確に表現している言葉として深く感銘を受けました。
 今回参加した多くの企業は、地域に根ざし、地域の発展に貢献出来ることを中小企業経営者として誇りに思い、全国の多くの仲間から実践や討論を通じ、今後の自社に活かせる希望を得ることが出来たと確信しております。

追伸:「宮城同友会:地球環境部会(沼田清会長)」11名は大会終了後、「熊本同友会;同友の森づくり実行委員会(菅原時男委員長)」の方々と交流討論会を実施、その後、委員会の方々のご案内により実際に大津町が所有する植林活動の現場を視察させていただきました。数々の体験談や植林活動までの経験を伺うことが出来、今後の活動の方向性に向け大変参考になりました。改めて、熊本同友会の皆様に感謝を申し上げる次第です。


第39回 熊本全研に参加して

(株)三晴産業 小川 孝一氏

 2月12・13日、熊本での全国研究集会に地球環境部会の一員として参加してきました。初日は13部会「持続可能な社会づくりとしての森づくり運動への取り組み」での学び。熊本県立大学の篠原教授の報告では、熊本は阿蘇からの地下水で、水道水の殆どをまかなっている「水の都」であり、世界でも稀な都市だそうです。21世紀は「水の世紀」とも言われていますが、自然環境の悪化による気候変動、生態系の破壊などの悪化要因の一つである CO2 削減には広葉樹の植林が一番いいそうです。
 続いて未来工業(株)の菅原工場長の「同友の森づくり」の実践報告。全国初の同友の森づくり運動を始めた熊本では、過去の「水俣病」という苦い経験を踏まえ、「自然豊かな環境を100年後にも残すべく、いつまでも熊本を愛し、この活動に取組み、運動の輪を広げていきます」という理念をもとに活動しています。熊本の地下水を守り、温暖化対策として植林を行い、会社及び社会の一員として人格育成、社会貢献の機会創りの場として取り組み、その運動を全国に広げようと、「故郷の自然を壊していませんか、これは宝物ですよ」と訴え続けています。阿蘇の地下水は美味しくて安全で安くて…だから使い放題、節水の概念がなかったようです。「阿蘇の水をお借りしている」という言葉も出されていました。
 2日目。集会終了後、同友の森づくりの方々に阿蘇の麓の植林場所に案内してもらいました。見渡すかぎりの草原と熊笹。5年間1,000本ずつの植林、年2回の下草刈りも行い、12年をかけて森づくりをしていくそうです。年間100万の予算が必要になり多くの方の賛同がないと持続できません。宮城同友会でも山を所有し、ドングリがいっぱい、新緑、紅葉の森を皆で育んでいけたら、と大きな夢を抱きました。
 飛行機の窓から下を見ていると日本は山だらけ、森だらけ、「これなら大丈夫じゃん」と思ってしまいますが、間伐が行届かず山は悲鳴をあげているそうです。地産地消で材木の需要が増え、林業も復活してくれるといいのですが・・。「死にかけた杉が苦し紛れに花粉をたくさん飛ばしている」と篠原教授も言っておりました。


第39回 熊本全研に参加して

(株)ホラグチ 洞口 信弘氏

 同友会入会後、初めて参加した全国大会でしたが、私は(有)コッコファームさんの見学分科会に参加いたしました。どんなに小さな力でもたくさんの視点を持つことでより多くの可能性が生まれてくるということを感じさせていただきました。
 コッコファームでは鶏が卵を産んですぐに「温かい卵をお客様に提供する」ことを原点に、毎日産みたて卵3キログラム入りを直売店「ふれあい館」で販売しています。販売している場に生産者の顔が見えることで、お客様が安心して食べてもらえるような仕組みづくりをしています。鶏は450日で鶏肉にして販売し、その日のうちに完売します。また、直売店では菊池市内の農家と連携し、生鮮野菜類の直売もしており、プラスαの魅力を持たせています。農業は収穫期が限られていることから、1年間のローテーションづくりのもと、お客様に年間を通して楽しんでもらうための「観光バナナ園」も開設しています。愛知万博にも出展し、昨秋封切りとなった映画「まぼろしの邪馬台国」のロケにも使われたことから、全国にも一挙に広まることになりました。
 自分たちの地域へ来てくれるお客様を「待つ」のではなく、お客様に喜んでいただける1つ1つの仕組みづくりが、最終的に自社における職業体験者が集うことにもつながっており、地域の活性化にも貢献しているのだと思いました。自分の中にある“大きな可能性”を信じて今後に活かしていきたいと思います。

今月の内容

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