No.212(2009年3月号)

どうゆう みやぎ

宮城県中小企業家同友会
〒981−3133 仙台市泉区泉中央2−11−1 リバースビル302
TEL(022)218-2571 FAX(022)218-2575
E-mail miyagi@m-doyu.gr.jp
【同友会3つの目的】
●よい会社をつくろう。
●よい経営者になろう。
●よい経営環境をつくろう。
発行日/毎月1日発行

1月例会報告 青葉地区

「CSR(企業の社会的責任)の追求が会社を変えた」
〜若者が育つ企業づくりの実践〜


報告者:イートス(株) 社長 増子良一氏

社員の成長を願い取り組んだ【インターンシップ支援事業】

 イートス(株)は1992年に民間向けシステムの受注開発を主な事業として設立しました。その後、受託開発から自社製品の開発・販売事業に切り替え、現在は事業を通じて地域貢献に繋がるような様々なパッケージソフトの開発、販売、ポータルサイトの運営などの展開を行っています。
 2007年には日本財団が主催する「市民が選ぶCSR大賞」にノミネートされ、特に10数年前から始めた【インターンシップ支援事業】はイートス(株)のCSR(企業の社会的責任)の取り組みで唯一、増子社長が「絶対にやる」と力を入れて取り組んできた事業です。増子社長がこの取り組みにこだわった理由は社員の成長ということでした。増子社長は以下の様に語ります。「学生(インターンシップ研修生)は目標を持って自主的に研修に参加してきます。受け入れる私達は最大限その想いに応えたいですよね。一緒にスケジュールを立て、技術的な事や商品、働くことのおもしろさを伝えています。受け入れ側は当然、事前の学習が求められますし、何よりも日常的に自分の仕事、自社を語れなければ学生さんを前にして恥ずかしいですよね。これは必ず社員の成長につながると取り組んできました。学生とのかかわりの中で自分達だけでは気付かない意外な会社の問題点や改善点、魅力を発見することもあります。また、特徴として長期間のインターンシップを行っています。現在では年間約20名の学生を受け入れ、最低2週間、一番多いのは2ヶ月〜半年間という学生です。中には2年間のインターンシップの後、そのまま入社し、翌日には広島へ出張に行っていました(笑)。わが社の社風に触れ、仕事もある程度理解した上で入社しているからこそ出来るのだと思います。」

よい会社づくりと企業の社会性を一体に 〜選び続けられる会社を目指して〜

 イートス(株)はその他にも CSR の取り組みとして、人が集まる街づくりを目指す地域密着型クチコミポータルサイト【エニータウン】や、モバイルアンケートサイト【エニリサ】、電気や化石燃料などのエネルギー使用状況と、CO2などやメタンなどの温室効果ガス輩出状況を管理することができる Web サービス【エコ魂】などを展開しています。これらは全て社員自らがアイディアを出してつくった事業で【エニータウン】は30歳の主婦が考えた事業です。「わが社には企画部門はありません。社員全員が企画部門です。社員一人ひとりが若い発想で仕事をしていますが、独りよがりになるということはありませんね。むしろ、お客様や社内の対話を一番大切にしています。しっかりとお客様の声を聞き、自分の意見を伝える力が重要です。例えば32歳で全くの素人から入社してきた社員は3ヶ月でプログラム組めるようになりました。組めないのであれば組めるようになれば良いだけだと考えています。」
 「CSR(企業の社会的責任)を突き詰めて考えると“選び続けられる会社”ではないか」と語る増子社長。CSR の取り組みのきっかけは個人向けポータルサイト事業立ち上げの際にどうしたら自社を知ってもらえるか?わが社はどうしたらよい会社になれるのか?と考えたのがきっかけでした。社員の成長を考えてはじまった【インターンシップ支援事業】の取り組みは現在では自社の仕事を通じて若い学生に社会を知るきっかけや働くことのおもしろさを伝える、ある意味では地域の教育の一部を担う事業に発展してきました。よい会社づくりを目指して取り組んだことが企業の社会性、役割、社会的責任に気付く取り組みに発展してきた一つの事例です。自社の事業を通じて地域貢献、社会貢献ができるソフトウェア・サービスを提供していこうと若い力を中心に全社一丸となって進むイートス(株)の挑戦は続きます。

<イートス(株) 会社概要>

設  立:1992年 資 本 金:3720万円 社 員 数:77名
事業内容:ソフトウェア開発、インターネット事業、医療事業など

今月の内容

バックナンバー一覧に戻る