No.211(2009年1月号)

どうゆう みやぎ

宮城県中小企業家同友会
〒981−3133 仙台市泉区泉中央2−11−1 リバースビル302
TEL(022)218-2571 FAX(022)218-2575
E-mail miyagi@m-doyu.gr.jp
【同友会3つの目的】
●よい会社をつくろう。
●よい経営者になろう。
●よい経営環境をつくろう。
発行日/毎月1日発行

 

「自分の変化が 会社の変化!」


報告者:クリーンシステム(有) 社長 佐藤哲弥氏

 登米市迫町で先祖代々受け継がれてきた佐藤荒物店(家庭用品雑貨の小売・卸)の後継者として生まれ育った佐藤社長。大学を卒業後会社に入り清掃用品の販売をしていましたが、その頃から大型店の進出により経営が苦しい日々が続いていました。そんな中、お客様にワックスの説明をしていた時、「だったら実際に塗ってみてくれ!」という一言で、自分で作業を始めたのがクリーンシステム(有)の原点です。
 最初の頃は単純に、どうしたら綺麗にできるかということだけを考えて仕事をしており、仕事内容もきつく社員も定着しませんでした。しだいに社員数も増えていきましたが、相変わらずのトップダウン、社員との信頼関係もなく社内はバラバラの状態でした。そんな中で奥さんから、「このままでは大変なことになる。社員がかわいそう。」「社長にいくら話しても分からない。利害関係のない人からの言葉でないと、もう言うことを聞いてくれない。」という熱い思いがきっかけで「第19期経営指針を創る会」(以下「創る会」)を受講しました。

〔以下が11月26日(水)登米で行われた、「同友会を知る会」での報告の骨子です。〕

 最初は、現状では何も問題なく会社は動いていると思っていましたし、「創る会」の受講はどうでもよかった。そんな思い違いの中、夫婦で受講しました。初日から質問に答えられない自分がいて、「あぁ、やっぱり来なきゃよかった。今まで通りやっていれば余計なことやらなくてもいいのに・・・」という思いと、「自分にはよく分からないが、自分にないものを持っている助言者。自分には何が足らないの?」とモヤモヤっとしたものを感じました。
 受講中、今までの人生や関わってきた人たちのことを深く考え、これからの二人の人生を考えたとき、心から仲良く生きていきたいという思いと、過去についての反省が湯水のように湧き出てきました。会社に戻って、社員に自分の評価を綴ってもらいました。正直に書いてもらった内容は、社員はよく社長を見ている。自分には苦痛な内容が多く、社員に知らないうちに苦労をかけていたことを知り、だんだんと妻の言葉の意味が理解できるようになってきました。「人の良さを見つける力がなかった。」「気づくことができなかった。」そういうことを学ぶ中で、社員に今までの行ないを反省し謝りました。
 自分が正直に接していくと社員の顔つきも変わり、少しずつ「仕事をやらされている」から「仕事をする」という雰囲気が生まれました。例えば、退社時では以前は業務終了後すぐ居なくなることが多かった事務所も、しばらく残っていることも変化の1つですし、挨拶も形だけではなく、お互いに心を伝えることを心がけるようになりました。

 「創る会」の中で、視点が変わったことで今まで見えていたものが変わり、様々な葛藤の中で自社の方向性を見出し、社員や地域と共に歩んでいる佐藤社長。最後に「会社を変えるのではなく、自分が変わることで会社が変わる。しかし、「変わった」だけではなく、これからの実践に結びつけることが本当の変化です。」と熱く語っていたのが印象的でした。

今月の内容

バックナンバー一覧に戻る