リューベック企業支援センター視察
(有)東日本 専務 阿部奈加子
リューベックは人口20万人。8万人の労働者、7000人の学生がいます。主な産業は医療機器、食品、海運業、そして観光の町(中心部の旧市街は世界遺産の町)です。ハンザ同盟都市として有名で、1200年代からの港湾都市でもあります。支援センターは運河の倉庫を改装したビルの4階でした。(外観はほんとうに古い倉庫ですが、私たちが招かれた会議室は明るくシンプルな造りの会議室でした。)
1998年に設立され、企業のビジネス促進と経済振興活動の支援をしています。ドイツ全土では8%、リューベックでは12.5%という高い失業率です。東ドイツとの統合やEU加盟で統一通貨(ユーロ)になり為替が簡単になり、アウトバーンでヨーロッパがつながり、運送が発達し、労働者のビザが不用になったため、他国への移動が多くなったことも原因の一つと考えられます。
1. 起業支援
@10年間に4000社を新しく起業した。商業、サービス業が多く、製造業は少ない。
Aローカルでも外部へ発展できる企業、雇用をたくさん創出する企業をつくる。
2. 資金(キャピタル)の助成
@現金(20%〜50%)、州(ドイツ連邦に16州が存在する)によって違う。
Aローン(低金利)
B保障(国家、州、市とがある)
C資本金を出資する制度もある。経営に口出しはしない。配当は受ける。
3. 運営(オペレーション)の支援を主に行っている。
@高齢者(50歳以上)障がい者、子育てに50%の給与負担。
A職業訓練、労働者のスキル向上プログラム(失業対策を重視)
B開発のため(技術者、研究者、マッチングの紹介や外国の企業)給与50%負担。
革新的なプログラム支援
4. 目 的
@雇用をたくさん増やし、失業をなくすこと。
A革新的な開発が行われ、街が活性化すること。
対象の会社は大手から小さいもの、起業家、工場のリフォーム、不動産紹介など、一定の条件を満たすことにより、かなりの企業が利用できます。日本にも技術センターはありますが、日本との目的が違うところは、終始雇用に特化していることです。 |