【社長としての失敗】
1978年、 個人事業から法人にしました。 社長になってすぐに大きな不渡り手形を掴んでしまい経営責任の重さを痛感しました。 「会社が危ない」 という噂も流れ、 「社長は誰でも簡単になれるが、 経営者にはなかなかなれない」 「片手にロマン、 片手にソロバン」 の意味が分かりました。 また、 売上の安定拡大のためには、 一発勝負よりリピート客を増やすことが大切で、 利益確保は価格決定権を握るか否かによるということに気づきました。
1988年、 会社の体制固めのために、 大手から引き抜きをしましたが、 失敗して辞められたうえに大切に育ててきた社員にも辞められてしまいました。 この頃、 同友会の先輩に、 「同友会ごっこじゃだめだよ」 と教えられました。 「会社は社長一人では何もできない」 「自分の考えや夢を文章化して伝えることが重要」 と気づきました。 その時、 同友会で成文化を呼びかけていた 「経営指針の必要性」 を認識しました。 そして、 「第1期経営指針を創る会」 (以下 「創る会」) を受講し、 自分ひとりで経営指針を創りました。 ところが、 社内にはまったく浸透せず、 会社はなかなか良くなりませんでした。
【二度目の 「創る会」 受講】
1998年、 「これではやっていけない」 と思い、 「第9期創る会」 を再受講しました。 20世紀は 「モノの時代」 でしたが、 21世紀は 「心の時代」 であると気づきました。 「今までのことは全部俺のせい」 と腹を括り、 「ゼロから出発して第二創業をするぞ!」 と誓いました。
それまでの自分を振り返ると、 「社員は最も信頼できるパートナー」 ということを、 頭では分かっていても実態は 「俺が俺が」 だったのです。 そこで、 「社員やお客様が幸せになれる会社にしよう」 と、 幹部と共に3ヶ月かけて創りました。 そうしてできあがったのが、 現在の経営理念です。 (下記参照) そのなかで、 「会社は社長を含めた全社員が幸せになるためにあり、 幸せになるためにはお客様を第一に仕事をしなければならない」 「社員の成長なくして会社の発展はなく、 会社の発展なくして社員の幸せはない」 と気づきました。 したがって 「社長の一番の仕事は人育て」 ということを、 肝に銘じることができました。
【(株)佐元工務店 経営理念】
一、 私たちは自然との調和を図り、 快適な生活環境を創造します (科学性)
一、 私たちは人と人とのつながりを大切にし明るく豊かな地域づくりに貢献します(社会性)
一、 私たちはともに成長し、 豊かな人生を実現できる自立した会社を目指します(人間性)
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