No.194(2007年9月号)

どうゆう みやぎ

宮城県中小企業家同友会
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【同友会3つの目的】
●よい会社をつくろう。
●よい経営者になろう。
●よい経営環境をつくろう。
発行日/毎月1日発行

「よい会社」 「よい経営者」 「よい経営環境」 をめざして

〜 第18期 『経営指針を創る会』 修了発表会を迎える 〜

 「こういう混迷の時代だからこそベクトル合わせで連帯し、 勇気づけあいながら打開しよう。 固有の価値をそれぞれに生み出し、 価格競争から脱却しよう」、 労使が一致団結するのに必要なのは強固な信頼関係です。 そのためには社会性と人間性に裏打ちされた科学性を確立して経営指針として成文化することはもちろん大切ですが、 それを実践する姿を経営者自らが社員に示すという姿勢も求められます。
  『創る会』 第一講は、 事業定義を明確にする準備がほとんどの受講生にないところから始まりました。 「何のために経営をしているのか」 「どんな会社にしたいのか」 「あなたの会社は何を売っているのか」 「社員をどう見ているのか、 どう位置づけているか」 などを考えるときにどうしても世間一般的な結論にしか辿りつけず、 行き詰まってしまう様子も見られました。 それぞれの現状、 また歴史から生まれた独自の特徴が一社一社にあるはずですが、 それもなかなか発見できずに数ヶ月が経過します。 そういう中でちょっとしたことに気づいて変え始めた受講生が生まれ始め、 最終的には全員が何らかの変化を見せました。 全ての企業が、 方針に自社の発展と地域や業界の再生をつなげているのも特長です。
 自社の経営指針を発表した受講生に、 菊地肇経営労働委員長が激励の言葉を贈りました。 「受講生が支え合い、 全員そろって修了発表会を迎えられたのは本当に良かった。 この支え合いを会社でも生かしてください。 そして発表した熱い思いを具体的に実践に移し、 成果を出してください。
 また皆さんには3つのことをお願いいたします。 @経営指針を毎年、 継続して創り続けること。 A来期以降には助言者として必ず参加すること。 B学んで良い会社をつくる仲間を増やし、 良い地域づくりにもつなげること。 そうして受講生同士、 地区内の仲間同士で切磋琢磨しながらさらなる良い会社をつくっていきましょう。」
  『創る会』 第18期生からの寄稿をご紹介いたします。 どんな受講期間の半年を過ごし、 今後はどんな展開をしていく決意をしたのかを感じ取ってください。 第18期 『創る会』 受講の皆さんのご健闘をお祈りいたします!

お客様にとって 「なくてはならない会社」 となるため

東洋産業(株)
専務 玄地 学氏
(若林区、清掃資材機材卸売業)

  『創る会』 では経営者として必要な心構えや、 事業の方向性と成長戦略をどう示すのか、 また人としての生き方、 社員との関わり方、 何をもって地域社会へ貢献するのか、 具体的な環境対応はどうするのか、 などをしっかりと指南していただきました。 経営理念を【科学性】【社会性】【人間性】の3つの方向性で示し、 それが経営方針・中期経営計画・個別計画へと全てがつながって、 一人ひとりが目的と手段を把握できるようにすれば、 社員は自分が何をすればよいかが明確になる。 これを実践すれば強い会社になると実感しました。
 私は受講前までは正直、 自分の会社経営に多少の自信を持っていました。 実際に様々な事に取り組んできましたし、 売上も伸びていましたので今のままでもいけると思っていました。 しかし (講義の中で) 10年ビジョンを描くことになったとき、 ビジョンが鮮明でなく、 自信が一転して恐怖に変わりました。 現代の流通における卸売業のひずみ、 先行き見えない経済情勢を直視し、 会社がなくなるのでは・・・という不安に駆られました。 自分の現状認識の甘さや視野の狭さを知りました。
 しかし、 自分の足元をよくよく見た時、 今までの逆境を乗り越えてきた社員は確実に力をつけていました。 今回の指針づくりにも関わってもらい、 心強さを感じました。 この社員と共に、 現在の形態にとらわれず新しい事に取り組んでいきます。 具体的には事業の定義を“総合衛生プロデュース業”とし、 物づくりからソフト開発までを行います。 それを社員と一丸となって実践し、 お客様や地域に必要とされる企業をめざします。
 最後に、 グループの仲間と関われた事に大変感謝しています。 他業種の慣習や問題、 将来性などが分かって自分の視野も広がり、 また他業界から自分の業界や会社はどう見えているかを知ることができました。 自分の目からだけでない視点から物事を見るようにしています。 業種は違っても中小企業の経営者が持つ課題は皆同じです。 これからも経営者仲間として関わり合って、 自社に役立て、 また地域づくりに貢献していきたいと思います。 たくさんの気づきと学びをくださった皆様に感謝するとともに、 お礼を申し上げます。

会社を変えたいのならば、 自分からまず変わること

(株)国井印刷
社長 国井隆平氏
(岩沼亘理地区、印刷業)

 第18期 『創る会』 は本当に密度の濃い5ヶ月でした。 受講前までも経営者として真剣に会社のことを考えてきたつもりでいましたが、 それがまだまだ甘いものであったことに気づかされました。 私の周りで起こっている現状は、 全て私がとってきた行動の結果です。 売上が思うように伸びないのも、 社員が思うように動いてくれないのも、 誰のせいでもなく自分に責任がありました。
 今までは自分一人で何でも出来ると思っていました。 一方で出来ないのも分かっていました。 でも突っ張っていました。 『創る会』 でそんな自分を受け入れることが出来ました。 その瞬間から気持ちが楽になり、 素直に人の話も受け止めることが出来ました。 私がすぐにやるべきことは、 出来ない自分がいることを認め、 今までの自分の行動で反省すべきところを社員に謝り、 素直に話し合う環境をつくることでした。
 それを実践して驚いたのは、 不思議なもので今まであまり発言しなかった社員から言葉が出るようになったことです。 聞き出すともっともっと話してくれます。 今まで知らなかった社員の苦悩も聞くことが出来ました。 経営理念も社員の皆と考えました。 素晴らしい意見もたくさん出て、 私にとっては感動でした。 事業の定義として掲げた“地域繁栄支援業”も、 社員との話し合いの中から生まれ、 確信を得たものです。 自社の土俵が明確になり、 現在の印刷業にとどまらないさまざまな策を考えられる基盤ができつつあります。 会社を変えたいのならば、 まず自らが変わらなければならない。 『創る会』 はそれを身をもって体験できる機会でした。 これからは社員と一緒にこの会社をつくっていきます。
 『創る会』 では多くのことに気づかせて頂きました。 私たち受講生のために貴重な時間を惜しまずに、 関わって頂いた助言者との出会いは本当に有り難いことだったのだと、 今あらためて感じます。 そして今後も関わり続けていく受講生の仲間との出会いを大切にして、 良い会社づくり、 そして良い地域づくりに向けて実践していきます。

今月の内容

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