No.193(2007年8月号)

どうゆう みやぎ

宮城県中小企業家同友会
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【同友会3つの目的】
●よい会社をつくろう。
●よい経営者になろう。
●よい経営環境をつくろう。
発行日/毎月1日発行

中同協 第39回定時総会 に参加して

 7月5〜6日、 「第39回定時総会」 (中同協主催) が香川で開かれ、 全国47同友会から1460名が参加しました。 「同友会創立50周年 歴史に学び中小企業新時代の創造へ」 をスローガンに、 全体会と18の分科会を行い、 活発な討議が行われました (詳細は中小企業家しんぶん7/15号を参照)。 参加者を代表して、 阿部奈加子さんと佐藤全さんのお二人からご寄稿をいただきました。

自分の進歩を検証する場

(有)東日本 専務 阿部奈加子

 同友会入会当時から毎年全国総会に参加しています。 最初は 「いろいろなところに行ってみたいから」、 でも今は 「“井の中の蛙”にならないように自分自身が果たして進歩しているのかを検証するために」 参加しています。
 香川は初めて訪れた地でした。 仙台空港からの直行便がなく、 羽田から乗り継いでの移動です。 家を出たのが5時、 高松市内に着いたのは11時半近く・・・。 しかし、 海がお堀となっている高松城は、 これまで城は山の上にあるものと疑わなかった私にとって、 大変新鮮な驚きと感動を与えてくれました。 総会後は、 琴平宮と直島の記念旅行にも参加。 全国にもたくさんの仲間ができるなど、 楽しい時間を過ごすことができました。
 私が参加した第13分科会は、 北海道同友会の(株)ホクコー 岩橋浩社長が 「地域活性化と振興条例制定運動、 行政や他団体との連携をどう進めるか」 をテーマに、 帯広市・商工会議所・中小企業家同友会の連携による 『中小企業振興条例』 づくりについて、 北海道同友会帯広支部のプロジェクトを事例報告しました。 現行条例の廃止と新条例の制定、 前文を設ける、 周辺町村との連携を盛り込む、 協議会を設置して振興の 「エンジン」 の役割とする・・・などすべての行政を巻き込んでの作成となりました。
 条例に前文を設けたことは前代未聞で、 趣旨はそれぞれの地域の特色ある条例を制定したいと願うところから発生したそうです。 商工会議所、 市役所、 市長などが、 同じテーブルに就いて中小企業の未来を話す大事さを実感しました。 一般市民の理解はこれからだそうですが、 地域振興条例づくりは、 問題意識のある人たちが集まり、 熱いリーダーが実践していくことにより実現するのだとわかりました。
 帯広市の方たちが、 自社のみではなく地域の現状認識もしっかりできているのに比べ、 塩釜市の現状を確実に説明できなかった自分の勉強不足を反省し、 これからの課題として取り組んでいかなければならないと改めて実感させられる学びとなりました。

結果の積み重ねが大事! 〜 点から線へ、 線から面へ 〜

(株)ヴィ・クルー 社長 佐藤  全

 私が参加した分科会は第11分科会 「地域に仕事を作り、 人を残す企業作りをめざす産学官連携」、 報告者は三重同友会、 橋本電子工業(株) 橋本正敏社長でした。
 アドック神戸に刺激され、 地域再生には自ら仕事作りが必要であることを確認し、 三重同友会内に 「ビタミンみえ」 を設立。 立ち上げはしたものの何に取り組むかが見えなかった頃に県の困りごとを解決するべく活動が盛んになる・・・。 やはり仕事というのは困った探しから始まるのだと再確認させられました。 産学官の連携も、 手法を模索しがちですが、 地域の困りごとを解決する過程で、 中小企業の足りない部分を補ってもらう形で、 はじめて産学官連携ができあがるのだなと気づかされました。
 その意味でも我々が何を解決するのかを明確にしながら進めていく必要があると思います。 同友会という異業種の集まりだからこそ自社だけでは解決できない問題を共に連帯し解決の方法を探ることができるわけですし、 それでも難しい問題にぶつかった時に大学の協力が必要になるのです。 中小企業は小さい点の集まりかもしれませんが共に手をとり繋ぎあえば点から線へ、 線から面へと成長していける可能性があるのだということも再確認できました。
 何より大きいのは地域の困りごとに対して中小企業が積極的に取り組むということは市民運動にもつながっていくということです。 中小企業憲章や地域振興条例というと難しく聞こえますが、 原点は自社が自立し単なる売上だけの自立ではなく地域にあてにされる会社であることが大前提として、 その会社同士が共に自社だけでは解決困難な問題に取り組んでいく結果の積み上げが重要なのだと感じましたし、 その取り組みを始めずに頭で理解しているだけでは、 憲章の学習運動には至らないと感じました。
 今こそ中小企業が地域の困った探しをする時なのです。
 この厳しい環境をピンチとして捉えるのではなくチャンスと捉える時なのです。
 10月に開催される経営研究集会も地域の困りごとを解決する取り組みの通過点にあると考えています。 なかなか結果が出なくても、 10月まで地区会員が知恵を出し合い、 取り組みながら10月にみんなで学べればいいと思いますし、 そこで学んだことを今度は3月の全研まで実践すればいい地域に近づいていけると確信しています。
 今回の総会に参加して宮城の現在取り組んでいるグループ長研修は間違っていないことも確認できました。 せっかく全国から集まっているのに課題を深堀できず、 ただうわべの討論が多かったのが今回のグループ討論でした。
 来年3月には 「すごいグループ討論だった!」 と全国の会員同士が学べるグループ討論をしたいものです。 そのためにも地区の例会からしっかりと準備し、 中身の濃い運営をしていかなければならないのだなと反省と確認ができた定時総会でした。 まずは10月の研究集会で 「やって良かった」 「本当に学べた」 と思える取り組みを今からでも進めていこうと思います。

中同協 第12回女性経営者全国交流会に参加して

 6月7〜8日、「第12回女性経営者全国交流会」(中同協主催)が東京で開かれ、42同友会から756名が参加しました。メインテーマ「生命育む女性の愛で 地域とともに 社員とともに」に基づき、記念講演と10の分科会を行い、学びあいました(詳細は中小企業家しんぶん6/25号を参照)。参加者を代表して、田村了子さんからご寄稿をいただきました。

感動とパワーの共有で互いに成長を!

大都ビルメンテナンス(株) 専務 田村了子

 今回、宮城からは7名(女性4・男性3)が参加しました。私も久々の参加でしたが、いつも会場に行って感じるのは、全国の女性経営者のパワーの凄さです。この瞬間に出会えた時「参加して良かった!」と、全国の女性の方々からパワーを分け与えてもらえるような気がしてなりません。また、会場の「椿山荘」の素晴らしい庭園には、夜にホタルが飛び交うなど、一瞬東京に居ることを忘れさせてくれました。
 今回私は、「社員をパートナーに選ばれる店作り」をテーマにした、石川同友会の(株)花とも記州陽子社長の第5分科会に参加しました。フラワーショップ5店舗を経営する記州社長は、「社長は命がけ、皆は生活かけよ」と社員に語り、ことばで伝えるコミュニケーションを心がけているとのこと。いつもチャレンジ精神をもって、何事も前向きに進む記州社長の思いを熱く感じた分科会でした。
 女性経営者全国交流会では、いつもたくさんの感動やパワーをもらいます。ぜひ宮城の女性部会の一人でも多くの人たちと一緒に、この感動やパワーを共有し、また共に学んで成長していきたい・・・と感じた大会でした。2009年の女性経営者全国交流会は青森県で開催されます。今度は青森に宮城のパワーを伝えに皆で参加しましょう!

今月の内容

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