No.193(2007年8月号)

どうゆう みやぎ

宮城県中小企業家同友会
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【同友会3つの目的】
●よい会社をつくろう。
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発行日/毎月1日発行

先生方と経営者の“共育”懇談会

『私の生きがい・働きがい』


報告者 (株)仙台リサイクルセンター 庄司文子さん (入社3年目)

憧れと現実

 幼い頃から憧れの職業として思い描いていたのは、 幼稚園の先生と美容師です。 しかし、 私は手の皮膚が弱く、 薬剤や水仕事の多い美容師になるのは難しいと考えました。 また幼稚園の先生も美容師も、 資格取得に向けてたくさんの勉強を必要とします。 あまり勉強が得意ではない私には、 なかば諦めの気持ちもあり、 社会に出て働く道を選びました。 そんな時に目にしたのが、 仙台リサイクルセンターの求人票です。
 実は当時の私は、 たくさんの方々に接する仕事がしたいと販売職を希望していました。 しかし両親は大反対。 「どうして自分がやりたい仕事もやらせてくれないんだろう」 と悩む私に、 友人やバイト先の先輩は 「事務職は表に出る機会は少なく、 縁の下の力持ちっていうイメージは強いけど、 責任感の強い文ちゃんには合ってるかもよ」 とアドバイスをくれました。 いろいろと考えていく中で、 「両親は私のことを考えて言ってくれてたんだなぁ」 と実感し、 事務職を希望することに決めました。 その中でも特に 「リサイクル」 という社名に興味がわいてきたのです。
 そして入社試験に向けた準備の時期を迎えました。 私の学校では、 履歴書を直接持参することが決められていましたので、 連絡をし、 会社を訪問しました。 「いらっしゃいませ」 と一斉に立って迎えてくれた社員の皆さんの元気のいい挨拶が今でもとても印象に残っています。

プレッシャーを喜びに変えよう

 入社1ヶ月目は、 青葉営業所の営業事務に配属されました。 早速、 苦手な電話応対が待ち構えていました。 相手の会社名を聞き取るのも必死なのに、 まして顔や電話の内容もわからない不安も重なって、 受話器に手を伸ばすのがやっとです。 先輩に 「なんで電話を取らないの」 と注意されるたびに、 自分に悔しさを感じる日々が続きました。
 そして2ヶ月目からは、 この年から仙台リサイクルセンターの新規事業として機密文書処理を扱う名取営業所に異動になりました。 会社にとっても新規の事業ですし、 新入社員の私にとっても初めて任せられた仕事です。 プレッシャーもありましたが、 「私にできる仕事が来た!」 という喜びのほうが大きく、 次第にやりがいを感じる機会も増えていきました。
 少しずつ仕事に慣れていく中で、 いくつかの失敗も経験しました。 伝票の宛名を別の企業名で書いてしまい、 上司からの注意にはっとしたことがあります。 自分では大丈夫と思い込み、 確認しなかったことが原因です。 同じ間違いを二度としないように、 言われたことはすぐにメモし、 確認を怠らないように注意する大切さも学びました。

後輩の入社で学んだこと

 入社2年目には2名の後輩が入社し、 自分の仕事をしながら後輩を指導することの大変さも実感しました。 その中には足の不自由な方がいました。 同じ職場の仲間として理解し、 過ごしやすい環境をつくっていけるように、 本人や上司ともたくさん話す機会を持つよう努力しました。 また、 1年前の私と同様に電話応対が苦手だった後輩には、 「私も初めのうちは同じ不安を抱えていたけど、 少しずつ克服してきたから大丈夫」 とアドバイスをしました。 後輩もこのひとことには安心したようです。 次第にいろいろな面で相談を受けるようになったりと、 社内にも連帯の雰囲気が生まれてきました。
 そしてその年の9月、 再度青葉営業所に異動になりました。 久しぶりに戻った青葉営業所は、 初めて会う方もいて、 入社当時とは雰囲気も変わっていました。 また、 入社当時よりもお客様が増え、 新しくおぼえなくてはならないこともたくさんありました。 私はこれを機に何もかも一からやり直そうと決意しました。 不安もありましたが、 日々の仕事をひとつひとつ覚えていくことで、 少しずつではありますが解消することができました。
 そして今年、 入社3年目を迎えました。 3月は決算期ということもあり、 営業事務の仕事をしながら経理の仕事も手伝うことになりました。 現金集金の計算、 売掛入金の処理、 営業所ごとの小口管理など、 経理の業務としては一般的なことですが、 また新しい仕事にチャレンジするきっかけを与えていただきました。

他職種の体験から気づいたこと

 私たち事務員には、 回収員の一日の疲れをほぐしてあげる役割もあります。 回収の大変なお客様の話を聞いたり、 電話での問合せのことを相談したりしながらコミュニケーションをとっています。
 私は、 元気で明るく、 何事にも興味をもって自分自身で体験することが好きな性格です。 以前、 回収トラックに乗り、 ダンボール回収や集団回収に行ったこともあります。 実は入社以来、 一度はトラックに同乗し、 回収にも行ってみたいと考えていました。 「一緒に回収に行ってきて」 と言われた時は、 うれしくて仕方ありませんでした。 しかし、 回収は力仕事です。 現場に行っても回収員に頼ってばかり・・・。 回収員は、 回収の時間を少しでも短縮するため、 トラックを降りたらすぐ走ってお客様のところへ行き、 すばやく回収。 この手順で毎日50件近くのお客様を回るのです。 初めて回収に出た日はとてもヘトヘトになりました。 しかし回収員の皆さんは夏の暑い日も、 冬の寒い日も大きなトラックを動かし、 重い回収物を運んだりと本当にすごいなぁと実感しました。
  「お客様に喜んでもらえるようにいい仕事をしよう」 という思いは事務員も回収員も同じです。 だからこそ仕事をしている上で気づいたことは、 互いに隠さずに言うことも必要だと考えるようになりました。 これまでは若い社員が多かったので、 職場の仲間としてではなく友達感覚で仕事をしている雰囲気がありました。 しかし、 気遣いのできる方や積極的な方も多く、 手本となる先輩や同僚もたくさんいます。 私自身もその方々を見習い、 もっともっと成長していきたいなぁと思うと同時に、 単なる仲良しではなく、 一緒に働く仲間としての係わり合いが大事なのではないかと少しずつではありますが実感できるようにもなりました。 そのためにも、 仕事に役立つことだけでなく、 自分自身の人生も充実させていきたいと考えています。 また、 ますます増えるお客様を大切にし、 リサイクルや環境問題にももっと興味や関心ももっていただきたいと思います。 そして 「庄司さんがいたから」 「庄司さんのおかげで」 と言ってもらえる存在となれるよう、 苦手なこともひとつひとつ克服して社会人として恥ずかしくないよう成長していきます。

今月の内容

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