No.192(2007年7月号)

どうゆう みやぎ

宮城県中小企業家同友会
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【同友会3つの目的】
●よい会社をつくろう。
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発行日/毎月1日発行

お知らせ 中同協発行書籍紹介I

第37回中小企業問題研究集会(沖縄)報告集 (中同協誌78号)

定点観測の指標として我が社を見つめる最適の書

 本年2月沖縄で開催された 「全研」 の記念講演、 全18分科会の報告集が230ページの冊子として出版されました。 参加した方々にとっては、 自分が選んだ分科会の位置付けを読み取ることができます。 参加しなかった人が本書を手に取ると、 同友会が創ってきた経営と運動の到達点に更に驚かれることと思います。 一度、 一気に読みきってみることをお薦めします。
 各分科会の報告から、 誰もがぶつかる悩みの中に、 全く違った豊富な実践方法があり、 問題突破へのキーワードが示されていることに気づきます。 第4分科会の岩田産業(株)・岩田陽男氏 (福岡) は、 グループ企業が危機に陥った際の反省から 「価値観」 のズレを最大の課題と考えます。 「価値観を刷り合わせ共有する」 営みに集中し、 グループ企業の結束を図っていきます。 第5分科会の九州教具(株)・舟橋修一氏は我が社の現状を否定して改善、 変革を目指します。 安定を目指さない、 不安定な中に置く。 社員と向き合うことが目的ではなく、 同じ方向を向くために逃げないで、 ぶつかり合って自分達の方向を自分たちで決める、 と言います。 第9分科会の遠藤科学(株)・遠藤一秀氏 (静岡) は、 「社員なくして会社なし、 社員の幸せの追求は手段ではなく目的である」 との経営理念を実践し、 200億円の売上と高い利益率を実現し、 社員満足度の高い会社をつくっています。 第10分科会の(株)大栄電気工業・大野栄一氏 (愛媛) は、 経営指針は社員の幸せの為にある、 それには 「人材育成」 の実践であると 「人事理念」 を作成します。 どんな社員像をめざすかを討議し 「自主・自律・自尊の精神」 として掲げます。 社員が決めたPDCAを自主的にまわし、 科学性の裏付けを持った 「夢と誇りの持てる活力ある企業」 へと成長しています。 どの分科会報告も第二創業として徹底して取り組み、 物真似ではない、 自力で生み出した迫力に満ちています。
 少子高齢化、 空洞化が進む中、 中小企業が地域力を高める力となることを求められています。 第14分科会 「沖縄自立への道」 は、 行政の担当者と大林弘道先生が、 復帰後の30年間基幹産業が育たなかった沖縄の悩みを語りながら、 自立的な地場産業を興す為の鼎談です。 ひとり沖縄だけの問題ではなく、 真に自立した宮城、 東北にする為に示唆に富んだ提起です。 第13分科会で中同協の赤石会長は、 「中小企業憲章」 への道は、 経営指針で自分と社員を守りながらより地域貢献をしていくための条件、 外部環境を示すことにあると述べています。 第16分科会の東村ふるさと振興(株)・山城定雄氏 (沖縄) の人口1800人の村の30年に亘る村おこしは凄まじいものがあります。 林業からパインアップル農業の破たん、 80年代後半のリゾート法の破たんを受けて 「身の丈に合った」 自立的な考え方で、 村にある自然を生かした 「体験型リゾート観光」 が始まります。 今では26万人が訪れ、 280校の修学旅行が体験学習しています。 山村氏は東北各県に営業に来ており、 宮城や山形県から修学旅行を誘致しています。 一人の情熱が村中を動かした経営実践です。 21世紀の地域産業は自らの足元を深く掘り下げ、 熱意を持ってあきらめず、 自分たちの良さを徹底して生かすことだと伝えているようです。
(推薦者:宮城同友会 事務局長 若松友広)

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