経営研究集会
実行委員会だより

「2006経営研究集会」 目前ですが、 第6分科会でパネラーをお願いしております仙北信用組合理事長・若林洋一氏に、 栗原登米地区6月例会で講演いただいた要旨をここで紹介します。

地域経済活性化と地域金融機関の役割

仙北信用組合 理事長 若林 洋一氏

 現在の中小企業の経営環境を考えてみましょう。 現在、 マスコミ等々では盛んに景気が良くなっていると言われていますが、 本当にそう思われていますか?“格差の時代”とも言われています。 格差というものは、 @地域間の格差は都市と地方において、 A個人間の格差は貧富の差となり、 B企業間の格差は経営力の格差として顕在化しています。 昔は、 “勝ち組”はありましたが“負け組”というのはなかったのです。 しかし、 現在は“勝ち組”とそれ以外の“負け組”がはっきりと区別されるという時代になっています。
  このような時代において、 われわれ地域金融機関の役割は何かと考えてみますと二つあります。 一つは、 円滑で効果的な資金の流通です。 地域内の余剰資金の効果的な運用と地域内のニーズに応じた資金の再投下によって地域内資金の地域内滞留を増やしていくことです。 つまり、 金融機関がこの地域で集めたお金を地域のためにどのように使うかを考えることが重要なのです。 例えば、 その地域で福祉や環境という問題に対しての要求が高いのであれば、 そこに重点的に再投下していくということが必要になってくるはずです。 もう一つは、 金融機関も地域経済活性化のリーダーの一人にならなければならないということです。 この地域でどれくらいのお金を集め、 どれくらい地域のために使うのかということが大切になります。 つまり、 お金が残らないということはそこに人がいなくなります。 人がいなくなるということは、 モノが動かなくなります。 地域全体が疲弊していくということになるのです。 われわれは、 地域にお金を供給するだけではなく、 地域内の企業と人材を育成していかなければなりません。 その具体的な取り組みとして、 県内4信組が連携してビジネスマッチングということを行っています。 企業それぞれが持つ強みや独自性を活かして、 連携・協同することにより新しいモノやサービスを生み出そうという“お見合い”の取り組みです。
  アメリカのコミュニティバンクは、 預金量が50億円から100億円規模の小さな地域金融機関です。 アメリカではこの地域金融機関からの提案で、 地域で集めたお金の70%は、 地域に再投下しなければならないということを法律で規定しました。 われわれは、 余ったお金を集めて、 足りないところに供給するという金融機関の基本的な仕事をしっかりと行っています。
  地域経済の活性化の主役は言うまでもなく中小企業です。 中小企業と行政と地域金融機関が連携して人・モノ・金を地域に集めることが大切です。 現在、 栗原地域の人口は8万2,000人ですが、 2015年には5万人まで減少するという予測があります。 単純に言うと、 売上規模も現在の8分の5になってしまうということです。 そこで、 経営者が大切にしなければならないことは、 @人です。 お客様、 社員、 その家族、 地域住民という人とのコミュニケーションの中から、 改革改善が生まれてきます。 A仕事、 本業です。 現在の商品・サービスにさらに磨きをかけることにより、 新しい付加価値が生まれ、 企業価値が高まります。 B時間です。 経営者にとって率先垂範ということは大切ですが、 現場の仕事を社員に任せ経営者としての仕事を果たさなければ新たな発想は生まれてこないのです。 われわれは、 円滑なお金の流れをつくることによって、 中小企業を応援し、 地域経済の活性化のために努めたいと考えております。

 なお、 若林理事長には11月9日に行われます 「2006経営研究集会」 の第6分科会のパネラーをお願いいたしております。 汲ミらの社長・平野勝洋氏、 (有)もちっ小屋でん社長・狩野千萬男氏との3人で 「自らの手で元気なまちを蘇らせる担い手として」 をテーマに、 栗原・登米地域の地域づくりの課題と展望を提起していただきます。 どうぞ、 ご期待ください。 参加ご希望の方は、 ご案内のパンフレットにてお申し込みください。



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