若林9月例会

同友会の学びを会社に生かそう!
 

(株)オプス 社長 菅原 俊樹氏
                     (若林地区副会長)


(株)オプス会社概要
業 種 総合ビルメンテナンス (建物の清掃・設備の保守、 点検、 管理)
      今期15期目、 従業員 約100名 (内正社員15名)

同友会は自分の経営を診る場
  〜 よい社長とはどんな社長か? 〜

 同友会で何を心がけてきたか。 それは自分の経営を診るということです。 入会時は出席の優先順位は低く、 具体的で即効性がある自社に合うものだけを求めていました。 しかし、 同友会大学の中で大田堯先生の 「思春期は自分自身を探す旅で、 他者の影を見て自分自身を見つけていく」 という話を聞き、 経営も同じだと思いました。 経営も自分自身を探す旅であり、 他者の影を見て自分の経営を診る。 考えが違う人の意見や、 業種や規模が違っても、 そこに本当に身を置いて自分と置き換えたときに自社の経営が診えてきました。
  当時、 私はよい社長とは物分かりの良い社長と考えていました。 社員が茶髪やTシャツで出勤しても、 お客さんのところに着替えて行けば良い。 車で事故を起こしても次の仕事で挽回してくれれば良いと言っていました。 しかし、 同友会で 「物分かりの良い社長がよい社長ではない」 という話を聞いてドキッとしました。 私はよい経営者になりたかったのに単たる物分かりの良い経営者になろうとしていた。 自分が思っているよい経営者とは違うのだと気付きました。
  また、 よい社長とは安い給料で何倍も働く社長だと考え 「俺の言うとおりにやれ!」 と社員全員を直接育成し、 現場に行っては口を出すということを繰り返していました。 しかし、 このままではいけないと幹部が社員を育てる方向に転換をしました。 部下を育てるという一番やりがいがあるところを私は独り占めしていたのです。 部下を育てることによって当人が育つ、 それを自分がとってはいけない。 現在では幹部がどうやって部下を育てるかを考えられる・学ぶ場の環境をつくっていくことが私の仕事だと考えるようになりました。 その為には社員を同友会に参加させることが一番ですが、 当時の私は立派な社長の報告を聞いて私と比べられるのが嫌で聞かせられませんでした。 しかし、 ある時社員を例会に連れて行き帰り際に 「あのような会社をつくりたいですね」 と言ってくれました。 本当にうれしく 「一緒にやろう」 と心から言ったのを覚えています。 それ以降、 例会以外にも、 社員教育塾、 新入社員研修会、 同友会大学、 共同求人等々参加させ責任者として任せています。

リーディングカンパニーは自社も目指せる!

 私にとって 「なくてはならない会社」、 「価格決定権を持つ」 この二つが同友会で突きつけられた大きなテーマでした。 当時、 下請けの安い仕事をたくさんこなし売り上げは伸びてはいましたが、 このままでは社員は幸せにはならないと感じていました。 これをなんとかしなければと【売上重視・効率追求型経営】から【ブランド追求型経営】へと舵をきりました。 最初にやったことは 「オプスはこれを大切にする会社です。 その為極端に安い金額ではお受けできません。 しかし、 これについては徹底的にやることをお約束いたします。」 と言うところから始めました。 「オプスは高い、 出す仕事は無い」 と言われたこともありますが、 言い続けること必ず実践することによってお客様にも認められ、 社員にもその覚悟ができました。 そういう意味ではしっかりと発信できる経営理念、 経営指針が重要なのだと思います。
  現在【3ブランド戦略】として、 @下請けとしてのブランド、 単なる下請けではないオプスでなければ困るという下請け。 A特殊な清掃、 他の業者がやれないブランド。 B元請けとしてのブランド、 に現在取り組んでいます。 また、 価格については本物の価格競争力とは安くても良い品質でしっかりと利益が得られることだと考えるようになりました。 他社が読みきれない細部までリスクをよみ低価格でもしっかりとした仕事ができるということに取り組んでいます。 このように自社の戦略を構築して効果が少しずつ現れたときに同友会での学び方を意識できるようになりました。 「なくてはならない会社」、 「価格決定権を持つ」 とは顧客・社会・地域にとって発展して欲しい会社になりえるかどうかです。 会社の規模や業界の立場を示すのではなく地域から本当に求められる会社、 それがリーディングカンパニーなのだと最近分かるようになりました。 ですから、 当時無理だと考えていたリーディングカンパニーも今ではわが社も目指せるものだと考えています。

自分を救ってくれた仕事の素晴らしさ

 私は父親に反抗し東京に跳び出て窓ガラス清掃のアルバイトを10年間経験し32歳の時に創業しました。 実はそこで挫折感を味わいました。 同級生は大学に進学し私はフリーターのような生活、 「俺の将来はどうなるのだろう?」 と不安でいっぱいでした。 それが清掃という仕事を通して自信が持てた時に初めて将来に向かって生きようと思いました。 清掃という仕事は老若男女に雇用の間口を広く持ち、 学歴や資格がなくても誰でもきれいにするという目的を達成できる素晴らしい仕事です。 私の夢は自分が経験したように仕事を通じて誰もが自分の大切さを実感でき、 人生に自信を持って生きることができる会社をつくりたいと思っています。

私と同友会

  「着眼高ければ理をみて岐せず」 という言葉があります。 高い丘に立ち遠くを眺め目的地点を見るとその道筋がよく分かって見えるという意味です。 丘に上がって目的地を確認し道筋を確認する、 それが私の考える同友会です。 社員とつくった経営理念を本物にしていくため、 自分自身も本物になるために様々な活動を通してチェックする、 磨きあげる、 未経験のことも想像して、 より高いものにしていく場だと考えています。



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