“ふるさと讃菓”で地域貢献

(有)もちっ小屋でん 社長 狩野千萬男氏
もち文化を伝える「もちっ小屋でん」の皆さん
(左端が狩野社長)


 “もちっ小屋でん”―この珍しい店名には、 並々ならぬ思いが込められています。 1995年、 宮城県北の一迫町の役場職員だった狩野氏は代々伝えられてきたふるさとの 「もち文化」 が消え去ることを憂え、 定年の3年前に公務員を辞めて起業します。
  「お米はとっても働きものです」 と謳い、 地元の米を加工した昔なつかしいしんこもち、 やきもちなどを造り、 販売します。 10年間夢中で走って70歳を目前にした時、 自分の生き方を総括するチャンスと、 第16期経営指針を創る会 (05年3月) に参加します。
  経営理念づくりの過程で仕事の裏にあるもの、 見えるものの奥にあるもの (本質) を探求することだと考え、 藩政時代からの 「もち」 の歴史を辿ります。 そして、 もち文化は虐げられた農民の豊かな知恵から生まれたかけがえのないご馳走 (神々へのお供え) であることをつき止めます。 そこから 「私たちは、 ふるさと讃菓を地域の幸、 誇りの味で提供します」 という平明で深い経営理念が誕生します。
  地域を思う心も人一倍強い氏は昨年秋、 地元高校からデュアルシステム (学校と企業が職業の実践的な知識や技能を養う場) の受け入れを依頼され、 経営指針に 「地域貢献」 を謳ったからにはと11名を3ヶ月間受け入れます。 企画から製作まで一貫して行うことは日常業務に大きな影響を与えますが、 社員の献身的な協力で支え、 新商品の開発をやり遂げます。 「高校生とかかわったことは私たちの学びの場であった、 社員が成長した」 と嬉しそうに目を細めます。
  人口減少がすすむ過疎地にあって、 自分たちの力で交流人口を増やし地域を元気にしようと、 「一迫あやめ園」 の再生など大きな夢と構想に取り組む時、 目に止まったのが 「中小企業は地域企業」 という 「中小企業憲章」 です。 「ここで暮らす、 ここで生きる…農業・林業・漁業とつながり地域循環型社会を生み出していく。 それには経営指針の実践だ」 と社長の決意に刻んだ狩野氏は、 宮城同友会随一の中小企業憲章の語り部となっています。

 会社概要  設立 1995年 資本金 500万円 社員数 11人 年商 9000万円
         業種 もち、 もち菓子の製造・販売
         宮城県栗原市一迫真坂字本町2  http://www.motiden.com



■経営と同友会の根本精神を打ち立てる場としての 「経営指針を創る会」 運動

 

■“ふるさと讃菓”で地域貢献

■宮城同友会2006年上半期(1〜6月)景気の状況に関するアンケート結果@

 

■活き生き企業訪問記
■宮城県中小企業家同友会
2006経営研究集会
  ■宮城同友会2006年上半期(1〜6月)景気の状況に関するアンケート結果A
■中同協発行書籍紹介A   ■経営研究集会 実行委員長あいさつ