経営と同友会の根本精神を打ち立てる場としての
「経営指針を創る会」 運動

「良い会社」 にしたい強い思いと連帯感

  「経営指針を創る会」 は92年1月、 6ヶ月 (6回) 12日間の 「創る会」 として、 当時中同協専任講師の吉本洋一氏 (故人) を迎え、 一泊の講座から始まりました。 その時、 「皆さんの意見を出しながら手づくりですすめなさい」 と吉本さんがおっしゃったのを真に受け、 全くの手探りで始まったのでした。 3期分の決算書を出し合って、 修了生が助言者、 相談役になって進めるという手づくり“芋洗い”方式で今日まで続けてくることができたのは、 良い会社にしたい強い思いと、 経営の悩みや苦しみを共感できるのは中小企業経営者同士だという連帯感 (仲間意識) によるものだと改めて思います。 また、 「経営指針をつくって業界のリーディング企業になって宮城を変えよう」 と役員同士が声をかけあい、 この 「運動」 こそ同友会理念を伝え広げるものだという確信を持ち続けてきたからでもあります。

92年に始まり、今年7月に17期修了生を
送り出した宮城同友会「経営指針を創る会」
の受講風景

「労使見解」 が骨身にしみるまで十数年

  次第に受講生の共通の課題に気付くようになりました。 @経営者の経営責任があいまいであること。 A社員を目的遂行のパートナー (同志) ととらえる人間観確立に大きな葛藤があること。 B現状認識から出発し事業を定義付け、 第二創業の方向性を定めることの難しさです。 これを乗りこえるには 「労使見解 (人を生かす経営)」 を学び直すことだと気付くことになります。 労使見解の先見性に気付き、 揺るぎない指針になり、 骨身に沁みるまで10数年を要しているのです。
 
「知っているだけではこざかしいだけ」

  創る会の参加者も増え、 これで良い会社づくりが進むかと思われた97年、 時代は急激に変化し既存の業界に縮小、 再編の嵐が吹き荒れます。 20名という最大の修了生を輩出した第8期生の次の年の参加者 (助言者) が2,3名という事態です。 経営指針をつくっても会社が動かない、 社員に浸透しないという状況が報告されました。 98年の第9期の開講に赤石中同協会長にお越しいただき、 「経営指針は素晴らしいが毎月の支部例会はつまらないと言うのは、 わがままになっている証拠。 紙を一枚、 一枚積み重ねるように学び続け、 変わり続けることが大切。 知っているだけではこざかしいだけ」 と、 静かに、 しかし、 強烈な問題提起をいただきました。

5つの柱で人づくり、同友会の全社的活用を

  98年から 「同友会大学」 を開講し、 翌年から 「5つの柱で人づくり」 をすすめるという長期方針 (@支部例会 A共同求人活動 B経営指針の成文化と実践 C社員共育活動 D同友会大学) を掲げます。 経営指針を羅針盤に生き生きとした会社をつくる為には、 毎月の支部例会で学び、 共同求人で新卒を採用し、 社員と共に育つ共育に一緒に参加し、 経営者と幹部社員が同友会大学を受講して時代認識を一致させ、 会社ぐるみで同友会を活用する。 そうしてはじめて社員と共に作成した経営指針が生命力を発揮します。 社員が担う経営指針こそほんものとなるのです。 創る会発表会の 「まとめ」 で菊地肇経営労働委員長は毎年 「3つのお願い」 をします。 「@作成した経営指針を毎期つくり続けること。 A来年の創る会には必ず“最も熱心な参加者”として参加すること。 B支部の役員になって仲間を増やし、 地域をよくすることを約束して下さい」 と。
  全ての会員が同友会の全社的活用の必要を認識するのは容易ではありません。 しかし、 経営指針を創る会が他の活動と切り離され、 ばらばらに行われていては 「運動」 の推進力は生まれませんし、 同友会理念の深まりも広がりも起こりません。 一人ひとりの共感を広げる営みを粘り強く、 薄紙を積み重ねるように続けることが大きなうねりを生む日が来ると信じて7月23日、 「第17期経営指針を創る会」 23名の修了生を送り出したところです。



■経営と同友会の根本精神を打ち立てる場としての 「経営指針を創る会」 運動

 

■“ふるさと讃菓”で地域貢献

■宮城同友会2006年上半期(1〜6月)景気の状況に関するアンケート結果@

 

■活き生き企業訪問記
■宮城県中小企業家同友会
2006経営研究集会
  ■宮城同友会2006年上半期(1〜6月)景気の状況に関するアンケート結果A
■中同協発行書籍紹介A   ■経営研究集会 実行委員長あいさつ