企業と地域の魅力あるリーダーとなるために

         
    
〜 危機の時代を切り開く志と価値観を磨く 〜


 1月21日 (土) 茂庭荘にて、 中同協 赤石義博会長を講師に 「リーダー研修会」 が開催されました。 当日は支部地区役員を中心に50名が参加。 赤石会長の事例報告・問題提起をもとに、 2回のグループ討論が行われました。

 赤石会長は冒頭、 産業革命以後の工業化の急速な進展がもたらしてきた自然環境破壊や、 新自由主義原理の裏側にある本質や地域・産業空洞化が引き起こす社会環境の変化など、 現在の私たちをとりまく環境についていくつかの事例を紹介しました。
  現在、 それらの問題が引き起こす症状の 「緩和」 に関する取組みは進みつつありますが、 病根の 「治癒」 に関する取組みはほとんどといっていいほど進んでいないのが現状です。 症状の 「緩和」 はもちろんですが、 抜本的な病根の 「根治」、 すなわちバケツの水漏れを雑巾で拭くのではなく、 漏れを防ぐことが急務なのです。
 命を豊かに育む経済社会を目指すために、 私たちが取り組まなければならないこととは何でしょうか。 赤石会長は、 それが小さな仕事を無数につくる 「蜂の巣経営」 だと語ります。 私たち中小企業は地域に根ざし、 地域で生きています。 すなわち、 地域づくりとは暮らしづくり、 ひいては仕事づくりや企業づくりに結びついていくのです。 仕事をつくり出すのも人を育てるのも人の力。 だからこそ私たち中小企業は、 人が育ちあい、 雇用を生み出す活力ある 「地域のモデル企業」 とならなければならないのです。
  同友会は、 「自主・民主・連帯」 の基本理念を掲げています。 「民主」 とは 「生命の尊厳性の尊重」、 すべての人間の命の重さは平等であるという人間観から1人1票という民主主義が生まれたように、 「生きる」 を確かにするということなのです。 「連帯」 とは人間的な信頼関係に立ち、 あてにし、 あてにされる 「群れ」 の形成すなわち 「くらしを守る」 ということになります。 「自主」 とは、 一人ひとりの人間は、 かけがえのない人生を持つ、 かけがえのない存在であり、 突き詰めれば 「人間らしく生きる」 ということです。
  赤石会長は 「この基盤を確かなものにしていくことが 『中小企業憲章』 につながり、 ひいては環境問題の取組みにも結びついていくのです。 ぜひ、 企業経営と同友会運動を車の両輪とし、 自分を主体者として環境問題の真ん中におきながら、 われわれの小さな力をいっぱい集めて、 21世紀を“生きる、 くらしを守る、 人間らしく生きる”を確かなものとする“命を育む経済社会”へと変えていきましょう」 とまとめました。
  以下、 参加者の感想を掲載いたします。



「共感と気づきと勇気をいただいた一日」
三慶印刷(株) 取締役社長 亀岡 幸康
 こんにちは。 私は平成17年11月に入会させていただきました新入会員です。 どうぞよろしくお願いします。 入会早々から、 毎月同友会のセミナー・例会のご案内をいただき、 なかなか出席出来ずにおりましたところ、 たまたま土曜日開催で、 しかも朝から夕方までという 「リーダー研修会」 が、 誰でも参加可能ということだったので、 これは 「お得かな」 と思って参加させていただきました。
  ところが、 いざ参加してみると皆さんが支部でご活躍されているリーダーの方々ばかり。 さらに講師は中同協の赤石義博会長の講演、 もれなくグループ討論付き、 ということで 「場違いだったかなぁ」 などと思いましたが、 講演やグループ討論で聞く話は、 実際の経験の裏づけが大きいだけに、 非常に重みがあり、 経験不足の私にとっては 「ああ、 こういうことはウチもあったなぁ」 とか、 「こういう風にするのかなぁ」 などど、 共感と気づきと勇気をいただいたような一日でした。
  私自身は同友会もさることながら、 社長業としても平成17年6月に就任したばかりの一年生です。 いろいろな話を聞いても、 実際に出来ていないこと、 踏み込めていないこと、 気づいていないことがたくさんあります。 今後の同友会活動を通して、 自己研鑽すると共に、 社会のお役に立てるよう、 ひとづくり、 ものづくり、 企業づくりをしていきたいと思っておりますので、 どうぞご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。 ありがとうございました。

「どんな賑わいの地域を創るのか」
(株)菅誠建設工業 代表取締役 菅原 清秀
  どん底を見た方のお話は、 説得力があるなあと、 その迫力に感服いたしました。
  赤石会長のお話は、 これまで5、 6回は伺っておりますが、 この真剣さはどこから来るのだろうと、 思っておりました。 オイルショックの影響で会社が苦境に追いやられたときのくだりは、 初めてのお話でしたので、 なるほどと合点が行きました。 これまで感動的だった経営者の報告の大半は、 そんな百戦練磨の末に今があるといったものだったからです。 本当に、 うらやましいほどのパワーを感じました。
  地域の経済 (景気) は地域自身の努力で活性化されるべきである。 活力ある宮城県にするためには、 地域を挙げての 人づくり、 企業づくり、 地域づくり (暮らしづくり) を目指す実践が必要であると。
  そして、 強い活力ある企業 (地域一番のモデル企業) を増やす方策として 「10人の仕事を9人でやり、 一人は新しい仕事づくりに専念させる」 であるとか 「小さな仕事を無数につくる“蜂の巣経営”」 のお話など、 われわれ中小企業が、 どのような社内体制をとっていけば良いのかについても、 具体的にお話いただきました。
  日本は、 節度のない市場主義へ国を上げて向かっている。 この赤石会長の憂いをわれわれ同友会の仲間は真摯に受け止め、 まずはこの宮城県を競争至上主義ではない、 会長が言われるところの 「人と大地が輝くような」、 そんな地域にしていければ、 と思います。 そして定年後どこへ行っても食える能力を身に付けて退職してもらう。 そんな社員が育つ環境を我々中小企業が持つ事で 「明るく豊かな賑わいのある地域」 づくりを担っていければ、 と思います。
  私にとっては、 少々優等生過ぎる夢のような感想文となりましたが、 少しでも近づけるように、 精進して参りたいと思いますので、 今後とも宜しくお願いいたします。


■「みんなの気持ちが集まれば
小さい地域ほど希望がある」

 

■「社員の力が企業の力」

■『社長と幹部の仕事とは何か』

 

■企業と地域の魅力あるリーダーとなるために
■神戸での感動の学びから
人づくり、 企業づくり、 地域づくりを