第17期経営指針を創る会
卒業生実践報告

「2006経営研究集会」 目前ですが、 第6分科会でパネラーをお願いしております仙北信用組合理事長・若林洋一氏に、 栗原登米地区6月例会で講演いただいた要旨をここで紹介します。


わが社の“地域貢献”と“理念共有”
(株)岩見組 
常務取締役 岩見 圭記氏

 今年、 『経営指針を創る会』 を受講して自社が地域から生かされてきたという事実を知り、 地域貢献・地域発展こそがわが社の役目であり、 そこにやりがいがあると確信しました。 理念についての話し合いの中で、 社員の地域貢献に対する思いも少しずつ強くなってきているのを感じます。
  先日の二度にわたる大雨で、 私たちの町 (山元町) は大変な被害に遭いました。 そのときの話です。 一度目の大雨で堤防が決壊し、 近所の川が氾濫してしまい、 その大雨で出た土砂撤去の要請が数日後にありました。 町からの 「早急に対応できますか?」 との話に、 仕事がちょうど込みあっていた時期でもあり、 深く考えずに 「今日や明日という話では無理ですよ」 と断ってしまいました。
  しかし、 その後 「これは地域貢献と反対のことをしてしまったのではないか」 と思い、 ハッとしました。 断りの電話から一時間ほどして、 じっとしていられなくなり、 その現場に行ってみると、 他の業者さんが既に入っており、 町からは 「すみません、 他に頼みましたから」 と言われてしまいました。 地域貢献ができなかっただけでなく、 信頼も失ってしまったような気がしました。
  翌朝、 そのことを社員に話したところ 「忙しくてもやらなくてはいけないことはあるよね」 という言葉が返ってきたのです。 私は自分の情けなさも感じましたが、 それ以上にみんなのその考え方に嬉しさが込み上げてきました。
  それから数日後、 また二度目の大雨。 その前日に決壊場所の仮復旧工事をしたいとの連絡がありました。 私は 「すぐにやります」 と答えたのですが、 その日は夜の作業になるとのことです。 日中も通常通りに作業をした社員たちですが、 そのことをみんなに話すと、 不満も言わずに了解してくれました。 作業が終了したのは夜中の0時を回っていましたが、 みんな疲れた表情の中にも、 達成感のようなものを感じました。
  わが社ができる地域貢献ということで、 一歩、 階段を上がれたような気がします。

(株)岩見組 経営理念

一. 私たちは、 常に探究心をいただきながら、 安全で快適な、 真のくらしを提供します。
一. 私たちは、 自然と調和した、 心豊かなまちづくりを地域とともに目指します。
一. 私たちは、 日々の出会いに感謝し、 夢と感動を共有しながら成長し続けます。




社員や仲間とともに 「すぐやる!
必ずやる!できるまでやる!」
(有)ティーズマジック
社長 遠藤  武氏

 私が 「第17期経営指針を創る会」 (以下 「創る会」) で学んだことは 「人とのかかわりの大切さ」 です。 同期の仲間や助言者の方々に本気でかかわっていただき、 無関心さや自己主義がはびこるなかで、 忘れかけていた熱い心を思い出させていただきました。 同じグループの同期生や社員とのかかわりを大切にでき、 私の人生での新たな分岐点となりました。 さらに経営者として必要な数字に対する考え方や自分自身を知ることができたことが今後の私にとっての宝となることは間違いありません。
  経営理念を考えるにあたり、 「車とは何か?」 ということに対して社員全員で考え出したことは、 車は便利な乗り物で社会生活に今やなくてはならないものである反面、 私たちの住む環境も破壊しているということです。 そのことを踏まえて、 「私たちに何ができるか?何をしなければならないか?」 を経営理念のなかに込めました。 次世代の子どもたちのためにも、 私たちが核となって快適な生活が送れるようにこれからも努力していきます。
  具体的な実践ですが、 今まで 「朝礼」 は、 私が一方的に指示を出し一日のスケジュールを決めていました。 短時間で終わるのが良いことだと思っていましたし、 予定通り仕事が進まないと 「朝礼で指示を聞いてないからだ」 と怒りつけ、 朝礼すらしなくてもいいと思っていました。
  しかし、 「創る会」 を受講中にある会員企業さんの朝礼に参加してその大切さを実感し 「働き甲斐のある職場とはこれだ!」 と気がつきました。 今では司会を順番に社員が担当する全員参加型の朝礼になり、 経営理念の唱和と3分間スピーチも取り入れ、 各自の個性を生かした朝礼を行っています。
  また、 業界全体もその傾向がありますが、 「会議」 などは時間の無駄であり、 そのぶん仕事を進めた方が会社のためになると思っていました。 今までは会議をしても、 沈黙が続いたり世間話になったりしていました。 しかし、 それは経営者である私自身に原因があったと気づきました。 せっかく良い意見が出されても、 私自身が曖昧なまま面倒なことは先送りする体質であることを社員に見抜かれていたのだと思います。 「今できることはすぐやる」 を実践しなければダメだと気づきました。 それからは月1回の全体会議で決めたことは必ず実行しています。
  経営指針の社内発表で社員と目標を共有し、 さっそく金融機関に出向いて経営指針書を支店長に手渡したところ、 「近頃はこのような経営指針書を創って持ってこられる企業さんはとても珍しい」 と感激していただき、 さらにいろいろなアドバイスをいただきました。
  また、 仕入先各位にも経営指針書をお送りしたところ、 全社にご賛同いただき、 特に山形に本社を置く塗料販売店さんには、 社長自ら 「全面的にこの経営指針書に基づきわれわれも協力します」 とありがたい言葉をいただきました。 自社への低公害塗料導入の際には、 メーカーに掛け合ってもらうなどのご配慮をいただきました。 これからも感謝の気持ちを忘れずに、 よきパートナーとしておつきあいしていきたいと思います。
  この塗料販売店さんに事務局になっていただき 「スプレーマンクラブ」 を設立しました。 これは、 入社1年から3年目の新入社員を対象に年6回の講習会を開催し、 基本的な知識と技術の向上、 人材の育成を目的としたクラブで、 塗料メーカーさんから直接技術指導をいただいています。
  各同業他社さんから1名ずつの5社6名ぐらいでスタートする予定でしたが、 応募が多く第1回は7社8名で開催しました。 次回は県南と県北に分かれて開催する予定です。 クラブ内では同業他社の同世代同士の情報交換もあり、 上からの押しつけもなく、 みないいライバル意識を持って取り組んでいるようです。 私たちも彼らにのびのびと育ってもらうためにも、 口を挟まず応援していきたいと思っています。

(有)ティーズマジック 経営理念

一. 私達は、 互いを尊重し、 共に学び成長する人間集団を目指します。
一. 私達は、 地球を守り、 車を生かす夢工場を目指します。
一. 私達は、 人と車に幸せを吹き込む元気企業を目指します。



■経営研究集会参加者の皆様へ

 

■経営研究集会に参加して 「私の学び・私の決意」

■来年2月 “春”の沖縄に行こう

 

■県北支部10月例会
■第17期経営指針を創る会
卒業生実践報告
  ■“葉っぱビジネス”の仕掛人・横石知二氏
新春講演会に来たる!
■中同協発行書籍紹介 D