社員が主体になって経営理念を外部発信
当社の経営指針は、 例年11月初旬に社員から集めたアンケートの内容をもとに11〜12月の経営会議で検討し、 1月からは各部署ごとで検討していきます。 3ヶ月間かけて各部署の経営計画がまとまると、 いよいよ発表の日を迎えます。 今年 (2005年) は、 4月2日に全社員が集まり発表を行いました。 毎月各部署ごとにチェックと検討を行いますが、 3ヶ月に1度は全社員で集まって会議を行います。 しかしもっと深い話し合いが必要なのではないかと思うようになり、 私と常務が、 15名いる営業担当者の一人ひとりと、 毎月約2時間をかけて、 その人の目標の点検と3ヶ月先までの計画・行動をチェックするようにしました。 本当にできるか、 できなければどうしたらできるか、 一緒に悩んで考えてあげることにしたのです。 今年の6月から始めて少しずつではありますが、 目標に近づけるようになりました。 当社の経営指針づくりの大きな特徴のひとつです。
当社では、 年2回展示会 「和匠苑」 を開催しており、 この7月で61回を数え、 北日本最大の展示会といわれるようになりました。 7年ほど前、 売上減が続いたことを機に、 私は経営会議で継続は困難と、 中止の宣言したことがあります。 すると、 2〜3日して社員が 「もう1回だけチャンスがほしい。 次がだめならあきらめる」 と私のところにやってきました。 社員がここまで本気で、 わがこととして取り組みたいというなら、 反対する理由はありません。 以来、 毎回売上が2ケタくらい伸びるようになり、 以後連続11回売上げを伸ばしました。 背景には、 社員のやる気やモラールのアップ、 当社の経営理念である 「装いの美しさと心の豊かさを提供しよう」 の実践があったのではないかと思います。 この展示会は、 参加されたお客さまがわくわくと楽しめる催しになっています。 中でも好評を博す 「思い出記念日ファッションショー」 は、 一般のご婦人が1万円の参加費を払って参加する着物ショーです。 朝からリハーサルを行い、 お弁当を食べ、 お気に入りの着物を着て、 プロが施すヘアメイクでスポットライトを浴びると、 皆さん大変輝いて見えるものです。 この展示会には、 案内状、 ヘアメイク、 着付け、 音響照明、 食事など、 同友会の仲間の協力もたくさんいただいています。 まさにみんなの思いがひとつになれる一日なのです。
社長の仕事は何か
「こんな見通しのたたない時代に経営計画書なんてつくれない」、 「経営指針で会社は本当によくなるのか」 とおっしゃる方もいるかもしれません。 見通しが悪いからこそしっかり考え、 徹底して取り組むことが大切です。 うまくいかないのは、 徹底が中途半端なのです。 大切なのは情熱をもって継続することで、 その先頭に立って皆を導く役割を担うのが社長です。 ゆえに社長のもっとも大事な仕事は経営指針づくりであると私は思うのです。 中小企業家同友会が産声を上げて早40数年、 現在、 全国の現在会員数は3万8000社になりました。 同友会にはこの40数年間、 同友会に関わった数万名の会員の知恵が蓄積されています。 よく 「血と涙と汗の結晶」 と言われますが、 同友会のバイブル (人を生かす経営・経営指針成文化の手引き) としてまとめられた書籍なども全社的に活用しながら、 社員も含めて同友会を積極的に活用していただきたいと思います。 熱い思いをもって気張らず、 急かず、 諦めないことが大切です。
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