地球環境部会準備例会
『自然環境の回復・復元に挑戦し、
善循環型社会の実現を』


(株)リバイブ (愛知同友会)



    社長 平沼 辰雄 氏 (中同協地球環境部会 代表)

(株)リバイブの存在意義、 21世紀型企業を目指して

 今日はわが社の考え方、 取り組みの中から環境問題、 そして同友会で何故環境問題なのかをお話したいと思います。 対外的に見ると私たち産業廃棄物処理業はあまり良いイメージを持たれていません。 そこで、 わが社がどんな会社なのかを地域住民の方々に知ってもらうために理念を発信していく。 経営指針はそういう役割を果たすということを申し上げておきます。
  わが社が扱う廃棄物の半数以上が混合廃棄物です。 混合廃棄物とは建設現場などから出るプラスチックやコンクリート、 様々なものが混じったゴミです。 このゴミを見て、 いかに資源になるものを選別するか、 最終処分を少なくするかが私たちの仕事です。 廃棄物の中の中心に入って考えることによってはじめて見えることがたくさんあります。 その中からつくりだしてきた理念をお話します。
『自然環境の回復・復元に挑戦し善循環型社会の実現を目指します。』 2000年に社名変更するときに新卒の若手社員と新たに作った環境理念です。 リバイブは自然環境の回復・復元に挑戦するという意味です。 当社が何故自然環境の回復か?それは人間が人間らしく暮らすために必要なものだからです。 これをわが社の事業目的にしています。 わが社が何のために仕事をするのかということです。
「地域から地球へ 地球クリーニング」 わが社の理念です。 地球環境をどうやったらきれいにすることが出来るのかを地域から地球規模に広げていくことが、 わが社の役割であるという理念です。
  川に例えると上流からゴミが流れてきて、 我々は小さなダムの役割をしている。 ダムで受け止め、 資源にできるものを見つけ廃棄物を少なくする。 わが社の利益とは廃棄物をいただいていかに資源に回すかが利益です。 廃棄物を少なくし、 埋め立てに回さないことが仕事です。 わが社の存在意義は、 『地域社会との共生から地球規模の環境問題につながる行動をします。』、 『環境問題を通じて社会的使命感に燃えて事業活動を行い、 地域社会から信頼や期待に高い水準で応えられる会社にします。』 です。 これは同友会の中で同じような言葉があったと思われると思いますが、 まさしく私たちが目指す姿だと 「21世紀型企業」 の考え方をわが社の中で生かしています。

Quality (クォリティー) の高いゴミ

 混合廃棄物を扱っているとお話しましたが、 お客様にこちらの困っていることを堂々と言います。 どうしたら廃棄物が少なくなり、 分別しやすくなるか、 分別をしっかりとして出して下さいなどです。 クォリティーが高いとは例を挙げると、 我々はよく埋め立てに使うため安定型の処理場に入れますが、 そこに油がついてしまうと油が溶け出して水質汚染につながります。 そういうことをしっかりとしないと私たちのやっていることが形骸化された処理になってしまいます。
  また、 分別の時に廃棄できないものはできないと言います。 『これはお客様自身でメーカーに返してください。 出来ない場合は特別管理廃棄物で処理しますから、 その分の料金をいただきます』 と伝えます。 同業者でなかなか当たり前のことがお客様に言えない。 私たちは適正な処理をやっていますがお客様の協力無しには完全な処理はできません。 それを言わなければ、 不法投棄、 不法行為をしていたら排出業者のお客様に責任が及ぶわけですから、 お客様の財産を守るために、 ただ廃棄物処理をするのではなく、 お客様に廃棄物の現状を理解をしていただき適正処理・廃棄物の排出抑制を提言できるパートナーとしての位置づけが必要になります。

業界のオピニオンリーダーを目指して

 わが社が業界のオピニオンリーダーになっていく。 それにはやはり人材共育が重要だと思います。 本当の意味で良い人材を業界に入れ、 後継者をつくっていかなければならない。
  わが社では全社員参加型のワークショップで自分たちの労働条件をどうしたら良いかを経営幹部だけではなく社員自身が考えてつくっていきます。 自分でつくったものですから責任が重いと真剣に取り組んでいます。 社員に出番をつくることが我々経営幹部の役割だと考えています。 そして、 業界の将来ビジョンを共有化することです。 業界はまだまだ価格競争で目の前の事しか見えていません。 自社だけでなく業界全体を変えていかなければならない。 そのために良識と見識を備えたオピニオンリーダーになるということです。 そのためにも労使関係に基づいた社員共育は大切なのです。
  我々の仕事は廃棄物をいただき社員を養うことではないです。 どんな社会を目指すのか、 そのためにわが社がどんな役割を果たすかです。 経済的な利益を最優先するのではなく、 地域が持つ資源をどう生かし循環させていくかです。


中小企業家としての使命 〜環境問題から食育の問題まで〜

 地域の中で認められ、 地域に理念を発信することが、 中小企業振興基本条例や中小企業憲章制定運動につながってくると思います。 住み良い地域のためにまず自社が良くならないといけません。 自社が良くならなければ地域全体も良くならない。 地域資源を生かし、 地域を支えるのは我々中小企業家だとしっかりとした考えを持たなければならないと思います。 わが社の場合も廃棄物からはじまり環境問題全般にまでつながるのです。
  地域づくりの仕事 (衣食住) は中小企業家が本来担うべき仕事です。 宮城は農業部会があるとお聞きしました。 本当の意味で第一次産業は環境問題の根本的な入り口です。 食べ物は本来人間の健康をつくるためのものですが、 健康になれないものまで知らないうちに身体に取り入れている。 スーパーでも一年中通してまっすぐできれいな野菜が売られている現在、 これをおかしいと思って生活する人は少ない。 現代の子供たちは食物がどのようにつくられているか、 米が八十八夜かけて丹誠込めてつくられたことも知らない。 モノを大切にするということが子どもたちに芽生えないのです。 食の問題も環境問題です。 それらを伝えていく役割を果たさないと、 地域を今後支えていく子どもは育ちません。 我々中小企業家はたいへん大切で重要な役目を担っていかなくてはならないのです。

地球環境部会設立に向けて〜東北のオピニオンリーダーに〜

 環境部会は環境問題だけを考える部会ではないのです。 環境問題は大きく捉えれば気象変動、 地球温暖化など生命様々な問題があります。 私たちが同友会理念で日常的実践の中で 「人間らしく生きる」 「生きる」 「暮らしを守る」 の基本だからです。 その中に環境問題があるのです。 まず現状を知ること、 そして私たちが住む地域の身近な問題、 例えば、 ゴミの処理がいくらかかっているかを多くの人は知らないでしょう。 ゴミは税金という目に見えないコストで処理されているため、 どんどん出してしまうのです。 しかしこれは大変なことです。 行政から本当はコストがいくらかかっているのかを聞いて知ること、 そこから課題づくりをしても遅くはないのです。 具体的な課題をつくっていければ非常に見えやすい部会になり、 人が生きていく上で大切な部会になると確信しています。 わが社では 『環境共生型コミュニティー』、 『善循環型システム』 をつくることを目指して資源づくり、 まちづくりに取り組んでいます。 私たちがやらないと始まらない、 地域を変え、 日本という国をどうやって変えるかというスタートだと思います。 まさに中小企業憲章制定運動につながります。 ぜひ、 そういう意味で宮城に地球環境部会が設立されビジョンを創る中からぜひ東北のオピニオンリーダーになっていただいて、 同友会の仲間、 地域に発信できるようになることを新しく生まれる宮城の地球環境部会に期待したいと思います。


■同友会大学受講の感想より

 

■『自然環境の回復・復元に挑戦し、善循環型社会の実現を』

■「社員の意欲を引き出す経営理念と企業づくり」

 

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